新人営業マンの失敗談:上司に丸投げしたら大変なことになった話

営業マンとしてデビューしたての頃、右も左も分からない私は、当然ながら上司に同行をお願いしまくっていた。経験豊富な上司がいれば百人力!「このお客様、ちょっと手強そうなんで…」と言えば、「よし、俺が行く!」と頼もしいお言葉。新人の私は「助かったー!」と胸を撫でおろす。

だが、ここに大きな落とし穴があった――。

上司、めちゃくちゃ話がうまい問題

私の上司は、話術の天才だった。いや、ほんとに。話し始めたら、お客様は大爆笑、気づけば商談もスムーズに進み、すべてがうまくまとまる。「この人、営業の神か?」と尊敬しつつも、私は完全に「営業見学ツアー」の参加者になっていた。

当然、私は何も話さない。上司がすべて説明し、冗談を交えながら場を盛り上げ、お客様の心をがっちり掴む。そして最後にこう言うのだ。

「じゃあ、あとはコイツに任せといて!」

え? コイツって、私ですか?

お客様「えっ、君が担当なの?」

翌週、上司なしで一人で訪問した。ドアを開けたお客様の表情がすべてを物語っていた。

「……あれ? 上司さんは?」

その目には明らかに「なんで君が来たの?」と書いてある。いやいや、私が担当なんですよ! 上司はフォローで来ただけですよ! でも、一度構築された「お客様と上司の関係」をぶち壊し、新たに「お客様と私の関係」を作るのは至難の業だった。

その後も訪問を重ねたが、どうしても上司の影がちらつく。お客様は会話の端々で「上司さん、元気?」と聞いてくる。おいおい、私と話しましょうよ! 結果、なかなか関係が深まらず、契約までもが遠のいてしまった。

学んだこと:上司は使い方を間違えると逆効果

この経験から学んだのは、「上司に頼りすぎると、自分の立場がなくなる」ということ。確かに、上司は頼もしいし、困ったときには助けてくれる。でも、頼りすぎると、お客様が上司との関係を築いてしまい、自分が影に隠れてしまうのだ。

以来、私は上司同行の際には、自分がメインで話すように意識した。上司はあくまで補助、最後のフォロー役。そうすることで、お客様との関係がスムーズに築けるようになった。

営業初心者の皆さん、上司は確かに心強いですが、「丸投げ」は危険です。気をつけましょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA