かつて、マンション営業は**「現場勝負」だった。
今や、マンション営業は「ウェブ集客」と「無反応との戦い」**だ。
バブル崩壊後の“分譲現場”に身を置いていた筆者が、
あの頃の「飛び込み→内覧→即日契約」の熱量と、
今の「問い合わせゼロ→PV解析→広告費だけが出ていく」営業の日々を比べてみた。
🧱第一章:「ご案内→タバコ→契約書」だったあの頃
- 初回の案内は「3LDK+モデルルーム+缶コーヒー」
- 同行してくれた奥様の「日当たりいいわね」で9割勝ち
- ご主人が喫煙所で「どうすっかな」とタバコを吸う間に、上司が契約書を出していた
「本日ご契約なら100万引けます。迷う理由、あります?」
まさに“瞬発営業”。
パンフレットより押印用の朱肉がよく使われていた。
🖥第二章:「まず資料請求を…」で終わる令和
- 購入者はまず「スーモ」や「ホームズ」で絞り込み
- 間取りと価格は見てるが、誰とも話したくない
- 資料請求の9割は「冷やかし」または「比較用PDF収集」
Zoomで案内したが、画面の向こうに人影がない。
「接続が不安定なので、また後日」→二度と繋がらない
営業は“相手の迷い”ではなく、“興味の無さ”と戦う。
🧾第三章:比較表で見る「マンション営業の地殻変動」
項目 | 昭和〜平成初期 | 令和時代 |
初回対応 | モデルルームへ即案内 | メール自動返信+PDF送付 |
商談時間 | 1〜2時間でクロージング | 数回Zoomでも未決 |
セールストーク | 「今日買うと〇万円引き」 | 「将来の資産価値は…」 |
契約率 | 内覧客のうち3〜5組に1組 | 資料請求100件に1件以下 |
武器 | フットワークと人間力 | Web広告とシステム連携 |
敵 | ライバル物件 | 無関心とSNSの悪評 |
🧠第四章:「売る」のではなく、「選ばれる」しかない時代へ
今の営業は「買ってください」ではない。
「もし良ければ…」と手を差し出して、選ばれるのを待つ。
まるで就活。まるで婚活。
売る側が主導権を持っていた時代は終わった。
それでも、ひとつだけ変わらないものがある。
それは、「この人から買ってよかった」と思わせる営業の力。
🔚まとめ:パンフより「営業マンの顔」が武器だった時代
バブル期には、パンフレットより営業マンの「顔」や「勢い」が契約を動かした。
今では、パンフはPDF、営業マンはLINEのアイコン程度。
だけどやっぱり、
「この人の話を聞いてみたい」と思ってもらえる営業マンが、
最後に勝つのかもしれない。
