日本の住宅ローン市場には、興味深い歴史があります。特に、住専(住宅専門金融機関)の役割とその変遷については、多くの学びがあります。ここでは、日本ハウジングローンと住専の歴史を振り返りながら、護送船団方式から不動産業者への転換についてお話しします。
住専の誕生と護送船団方式
住専は、銀行が住宅ローンに消極的だった時代に設立されました。当時、銀行はリスクの高い住宅ローンに対して慎重な姿勢をとっており、住宅ローンの供給が不足していました。そこで、住宅ローン専門の金融機関として住専が誕生し、住宅ローンの供給を担うこととなりました。
護送船団方式とは、政府が金融機関を保護し、競争を制限することで安定した金融システムを維持する政策です。この方式の下で、住専は政府の支援を受けながら住宅ローンを提供し、多くの家庭が住宅を取得する手助けをしました。
銀行の住宅ローンへの積極的な姿勢
時代が進むにつれ、銀行も住宅ローン市場に積極的に参入するようになりました。これは、住宅ローンが安定した収益源となることが認識されたためです。銀行が住宅ローンに積極的になると、住専の役割も変わっていきました。
住専の貸出先の変化
銀行が住宅ローン市場に参入することで、住専の貸出先は次第に不動産業者へとシフトしていきました。これは、住宅ローン市場での競争が激化し、住専が新たな市場を開拓する必要があったためです。不動産業者への貸出は、住専にとって新たなビジネスチャンスとなりました。
日本興業銀行の役割
日本興業銀行は、住専の設立や運営において重要な役割を果たしました。興業銀行は、住専に対して資金を提供し、住宅ローン市場の発展を支援しました。また、興業銀行自身も住宅ローン市場に参入し、競争を促進しました。
まとめ
日本ハウジングローンと住専の歴史は、住宅ローン市場の変遷を象徴しています。護送船団方式の下で設立された住専は、銀行が住宅ローンに積極的になるとともに、その貸出先を不動産業者へとシフトしました。この変化は、日本の住宅ローン市場の発展と多様化を示しています。