日本の政治とは、もはや統治機構ではない。
それは、マーケティング企業である。
顧客は「有権者」、製品は「給付金」、販売手法は「ポイント還元」。
そして最大のKPI(成果指標)は、選挙の得票率。
財務省の営業マニュアル:減税は在庫切れ、給付金は次回も売れる
石破政権が掲げた減税案に対し、財務省のカウンターはこうだったという。
「給付金なら次の選挙でも配れるが、減税すると配れない」
……え?
政治って「国民の暮らしを守ること」じゃなかったっけ?
どうやら違うらしい。
政治とは、“顧客を釣ってナンボのキャンペーン戦略”であり、減税のように継続的に楽になる制度は、使い勝手が悪いというのが本音だ。
減税=リピーター戦略が通用しない。
給付金=「その場しのぎ」のクーポンで再来店を狙える。
それが今の「政治」の営業戦略。
認知的不協和理論:なぜ国民は怒らないのか?
ここで登場するのが心理学で有名な「認知的不協和理論」。
人は「自分が信じていること」と「現実」が矛盾すると、その矛盾を埋めようとする。
たとえば、「政府は国民のためにある」と思いたい人が、 ・実際には増税される ・ポイントでごまかされる ・年金も減る ・インフレで生活が苦しい
という現実に直面したとき、
「でも…まあ給付金もらえたし」 「日本には借金があるから仕方ない」
と自己説得してしまう。
ここに、ポイント還元が絶妙に効いてくる。
3万円相当のポイントを配り、手数料や消費税で5万円回収。
それでも「なんか得した気がする」から、反発が起きない。
まるで、詐欺に気づかない優良顧客だ。
減税は「悪」、給付は「善」?──増税マフィアのPR戦略
減税は、「既得権にとっての危険思想」だ。
なぜなら、減税が定着すれば、 ・政治家は票を買えなくなる ・官僚は財源を握れなくなる ・省庁は予算の“割り振り権力”を失う
だからこそ、減税に取り組む政権には「包囲網」が敷かれる。
石破政権がその異端の旗を掲げたとたん、与野党を巻き込んだ“増税マフィア”の巻き返しが始まった。
これはもう宗教戦争に近い。
**「国民の自由 VS 支配する側の都合」**という構図だ。
政府は国民を見ていない──“お客様”として見ている
いまの政府にとって、国民は「国を構成する主体」ではない。
“次のキャンペーンで買ってくれる可能性がある消費者”だ。
・「高齢者層には年金UPという販促」
・「若年層にはマイナポイントや就職支援クーポン」
・「子育て層には異次元の少子化対策という無料トライアル」
それらの目的は、政治信頼の構築ではなく、選挙という“決算”での最大利益。
国民はすでに「生活者」ではなく、「ターゲットセグメント」に分類されているのだ。
おわりに──政治の“サブスク解除”を考えるとき
減税とは、こうした「キャンペーン依存政治」からの脱却を意味する。
つまり、“買ってもらう政治”から、“任せてもらう政治”への転換だ。
だがそれは、給付型政治の売人たちにとって、最も恐ろしい未来でもある。
だからこそ、徹底的に潰しにかかる。
問題は、我々がその“客”であり続けるかどうか。
「次のクーポンに釣られるか」
「自由な財政政策に投票するか」 選ぶのは、私たちの意思にほかならない。
