旅のロマンはどこへ?新幹線も列車旅も”単なる移動”になってしまった話

かつて「旅」といえば、移動そのものが楽しみの一つだった。寝台特急で夜景を眺めながらお酒を楽しみ、新幹線の食堂車で優雅にカレーを食べ、車内販売のアイスをかじりながら「旅してるなぁ」としみじみする──そんな時代が確かにあった。

だが、時代は変わった。

寝台特急、消滅の悲劇

かつて憧れの的だった寝台特急。”北斗星”、”カシオペア”、”トワイライトエクスプレス”といった名列車が次々と消え、「旅のロマン」は高速化の波に飲み込まれてしまった。「時間がかかるから不要」「飛行機や新幹線の方が便利」と合理化され、今や残っているのは”サンライズ瀬戸・出雲”くらい。

しかし、あの夜行列車特有の「非日常感」は何にも代えがたいものだったのだ。乗った瞬間から旅が始まり、寝台に横になってゴトゴト揺られながら夢の世界へ。そして目覚めれば、見知らぬ土地。こんなワクワクする移動手段、ほかにあるだろうか?

新幹線の食堂車、もう一度戻ってきてくれ

新幹線にもかつては「食堂車」という素晴らしい文化があった。席に座り、カレーやハンバーグを食べながら車窓を楽しむ──そんな贅沢な時間が存在したのだ。

1988年に新卒で入社した不動産会社に在籍中は、地方の不動産投資のお客様のところにゆくのに新幹線の食堂車をよく利用した。あの頃は、移動中に食事をすることが特別であり、仕事の合間のちょっとした楽しみでもあった。新幹線の食堂車でビールをたらふく飲んで爆睡していたことも、今となっては懐かしい思い出だ。

また、寝台特急ブルートレインの”あさかぜ”にも乗ったことがある。あさかぜにはプリペイド式のシャワールームがあり、それを使ったのもいい思い出だ。

しかし、2000年までにすべて廃止。理由は「利用者減少」「運営コストが高い」など。そんなこと言わずに、もう一度やってくれないだろうか?

今、食堂車があったら「新幹線レストラン」として話題になりそうなのに!ちょっと値が張っても、旅情を味わいたい人はきっといるはずだ。

そして、車内販売も消えた…

「東海道新幹線のシンカンセンスゴイカタイアイス」──この名物すら、もはや車内で買えなくなった。2023年10月をもって、ほぼ全ての新幹線で車内販売が終了。もうあのワゴンを追いかけなくてもよくなったわけだが、それは同時に「あの楽しみ」が消えたことでもある。

かつては「旅先のビールは車内で買う派」だった人も多いはず。あの「車内で買った」という行為が、旅のワクワク感を増幅させていたのだ。

旅はどこへ向かうのか

駅ナカが充実し、コンビニやカフェで何でも買える時代になった。しかし、「列車の中で食べる特別感」は、そう簡単に代替できるものではない。どこかの鉄道会社が「やっぱり食堂車復活させます!」と言ってくれたら、泣いて喜ぶ人もいるのでは?

速さや便利さも大事。でも、「旅のロマン」も忘れずに残してほしい。

さて、次はサンライズに乗って、最後の寝台特急の旅を楽しむしかないか…

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