高速道路の予防的通行止め

本日の様に大雪が予想されると、近年では高速道路で「予防的通行止め」が実施されることが多い。これは、立ち往生を防ぐための措置とされているが、本当に必要なのだろうか?

確かに、高速道路上で車両が動けなくなると、救助や除雪が困難になり、多くの人々が長時間閉じ込められるリスクがある。そのため、事前に通行止めを行い、こうした事態を未然に防ぐという考え方には一理ある。しかし、一方で高速道路が通行止めになれば、迂回を余儀なくされた車両が一般道に集中し、結果として一般道が渋滞し、事実上の「立ち往生」状態になることも少なくない。

実際に、昨年の予防的通行止めが実施された大雪予想の日に、ある運送業者に板橋区から横浜市旭区まで荷物の運搬を依頼したところ、午後1時に出発して到着したのが翌日の午前2時となり、合計13時間もかかってしまったという事例がある。このように、高速道路の通行止めによって一般道に負担が集中し、大きな遅延が発生するケースも少なくない。

交通量の増加により除雪作業が滞りやすくなり、結果として広範囲にわたる交通麻痺を引き起こす可能性がある。つまり、「高速道路での立ち往生を防ぐための通行止め」が、別の形での交通問題を生じさせているとも言える。

では、どのような対応が適切なのか?

一つの解決策として、事前のタイヤ規制やチェーン装着義務を徹底し、走行可能な車両のみ高速道路を利用できるようにすることが考えられる。さらに、部分的な規制や車間確保を促す施策を講じることで、完全な通行止めを回避できる可能性もある。

また、行政と高速道路会社が連携し、一般道の状況を含めた交通管理を強化することも重要だ。高速道路の通行止めが実施される場合でも、その影響を最小限に抑えるための誘導や情報提供を充実させるべきだろう。

予防的通行止めは確かに安全対策として重要だが、それがもたらす二次的な影響を考慮し、より柔軟な対応を検討する余地があるのではないだろうか。

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