大企業にはよく見られる「取締役相談役」という役職。バブル崩壊まではよく目についたポストでしたが、まだ存在しているとは驚きです。今回は、この役職の実態について掘り下げてみましょう。
相談役って何をしているの?
まず、取締役相談役とは何かを考えてみましょう。名前からして、何かの相談に乗る役職のようですが、実際には何をしているのでしょうか?多くの場合、相談役は会社の重要な意思決定には関与せず、むしろ「名誉職」としての側面が強いのです。つまり、実際の業務はほとんどなく、ただ座っているだけということも少なくありません。
引退ポストの実態
では、なぜこんな役職が存在するのでしょうか?一つの理由として、引退した取締役に対する「ご褒美」としての役職が挙げられます。長年会社に貢献してきた取締役に対して、引退後も高い報酬を支払うためのポストとして設けられているのです。これが実質的な「年金代わり」となっているわけです。
高い報酬の謎
さらに驚くべきは、その報酬の高さです。相談役の報酬は、現役の取締役と同等かそれ以上の場合もあります。これには、会社の経営陣が「お世話になった先輩」に対する感謝の気持ちを込めているのかもしれませんが、株主や従業員からすれば「何のために?」と思わざるを得ません。
株主に対する背任?
ここで気になるのが、株主に対する背任の問題です。株主は会社の利益を最大化するために投資をしているわけですが、引退ポストに高い報酬を支払うことが果たしてその利益に貢献しているのでしょうか?むしろ、無駄なコストとして株主の利益を損なっているのではないかという疑念が生じます。
具体的な例
例えば、某大手企業では、引退した取締役が相談役として年収数千万円を受け取っているケースがあります。これに対して、現役の従業員たちは「自分たちの給料が上がらないのに、何で?」と不満を抱くことも少なくありません。
結論
取締役相談役という役職は、実質的には引退ポストとしての側面が強く、年金代わりに高い報酬をもらっていることが多いのです。これが本当に必要なのか、再考する時期に来ているのかもしれません。皆さんも、自分の会社にこんな役職があるかどうか、一度確認してみてはいかがでしょうか?